特車申請のオンラインシステムは24時間どこからでも使えますが、すべての経路・車両に対応しているわけではありません。経路に含まれる道路の管理者や車両の種類によっては、途中で入力が進まなくなったり、そもそもシステムの対象外だったりします。
現在、オンライン申請には国交省・自治体・高速道路会社の3系統のシステムがあり、それぞれ対応範囲が異なります。「国交省のシステムが使えない=窓口申請」と思い込んでいる担当者も多いですが、高速道路を経由する経路なら別のオンラインルートが使えることもあります。
オンライン申請が使えないケースの見分け方と、窓口申請に切り替えるときの判断基準・必要書類を整理します。
オンライン申請システムは3種類ある
特車申請の方法は「オンライン申請」と「窓口申請(郵送含む)」の2つに大別されます。オンライン申請には現在、以下の3系統のシステムがあります。
① 国交省の特車ポータル(国道事務所宛)
直轄国道を含む経路が対象。24時間申請でき、許可証もオンラインでダウンロードできます。経路に直轄国道が含まれていれば、都道府県道・市区町村道もまとめて一括申請が可能です。
② 自治体申請システム(都道府県・市区町村宛)
経路が自治体管理の道路のみで構成される場合に使います。ただし参加していない自治体もあり、その場合は窓口申請が必要です。
③ 高速道路会社のオンラインシステム(NEXCO等宛)
令和4年4月から稼働。経路に高速道路が含まれていれば、直轄国道を通らない場合でもオンラインで申請できます。「国交省のシステムが使えない=窓口申請」とは限らないため、高速道路を経由する経路ではこのシステムも検討してください。
窓口申請は平日のみの受付で、印刷した書類と電子媒体(CD-R等)の持参が必要です。特車申請の窓口選びの優先順位も確認しておくと、申請先の判断に迷いません。
① 3系統比較表
オンライン申請ができない3つのケース
経路が市区町村道のみで完結し、自治体システムにも未参加の場合
経路に直轄国道も高速道路も含まれない場合、国交省のポータルも高速道路会社のシステムも使えません。走行する市区町村が自治体申請システムに参加していれば、そちらからオンライン申請できます。未参加の市区町村のみを通行する場合は窓口申請です。
ただし、経路の一部でも直轄国道を通るなら国交省のシステムで一括申請できますし、高速道路を経由するなら高速道路会社のシステムが使えます。窓口に切り替える前に、経路全体の道路種別を確認してください。
【補足:国交省がダメでも高速道路会社に一括申請できる可能性と注意点】
経路に国管理の道路(直轄国道)が含まれていない場合、国交省のシステムは使えません。しかし、経路に高速道路が1区間でも含まれていれば、道路法上の窓口として高速道路会社宛に一括申請を行うことができます。令和4年から稼働した高速道路機構のオンライン申請システムを利用すれば、システム経由で申請データを送信することが可能です。
ただし実務上の注意点があります。経路に市町村道等が含まれており他の道路管理者との協議が発生する場合、国交省のシステムのように協議状況がオンライン上で円滑に処理されるかは不透明です。国交省が使えない経路で高速道路会社へオンライン申請を行う場合は、データを送信する前に管轄の高速道路会社の窓口(交通管理課等)へ電話し、「市町村道を含む一括申請をオンラインで受け付けてもらえるか」を事前確認してください。これが現場で審査を止めないための鉄則です。
新規格車が重さ指定道路以外の自治体道路を通行する場合
新規格車(増トン車)は、幅・高さ・長さが一般的制限値内で総重量が20t超25t以下の車両です。重さ指定道路では特車申請自体が不要なため、国道事務所への申請が発生しません。
重さ指定道路以外の都道府県道・市区町村道を通行する場合は、各自治体への窓口申請が必要です。
経路上の自治体がすべてオンライン対応とは限らない
経路が都道府県道・市区町村道のみで構成されている場合、対象のすべての自治体が自治体申請システムに参加しているか確認が必要です。1つでも未対応の自治体が含まれていると、その区間は窓口申請になります。
申請前に、経路上の各区間がどの道路管理者の管轄かを特定し、オンライン対応状況を確認してください。
オンライン申請はできるが追加書類が必要になるケース
以下のケースはオンライン申請自体は可能です。ただし、システムの自動処理ができず審査が長期化します。
経路に未収録道路が含まれる場合
道路情報便覧に収録されていない道路(未収録道路)が経路に含まれると、システム上での自動算定ができません。オンライン申請時に「付近図(未収録経路図)」のPDF添付が必要になります。
未収録道路が経路の大部分を占める場合や、自治体から窓口申請を指定されている場合は、窓口に切り替えたほうが対応が早いこともあります。
個別審査が必要な超重量・超寸法車両の場合
車両の重量や寸法が著しく大きく、通常の算定式で処理できない場合は個別審査になります。オンラインで申請できますが、「軌跡図」や「運行計画書・理由書」のPDF添付が求められ、道路管理者による現地調査・構造計算が入るため審査期間は大幅に延びます。
窓口に切り替えても審査期間は短縮されないため、オンラインで申請し、追加書類をPDFで添付するのが基本です。
窓口申請に切り替えるときの手順
経路上の道路管理者を特定する
走行経路の各区間がどの機関(国・都道府県・市区町村)の管理かを確認します。同じ国道でも、国道事務所管理と都道府県管理(指定区間外)がある点に注意してください。
各道路管理者のオンライン対応状況を確認する
国道事務所はオンライン対応済みです。都道府県・市区町村は管理者ごとにオンライン対応の有無が異なるため、各管理者のウェブサイトまたは電話で確認してください。
窓口申請の必要書類を準備する
窓口申請では印刷した書類に加え、申請データを保存した電子媒体の提出が必要です。主な提出書類は以下のとおりです。
- 特殊車両通行許可申請書(正本・副本各1部)
- 車両の諸元に関する説明書
- 自動車検査証の写し
- 通行経路図
- 車両の三面図(寸法・重量記載)
- 申請データを入れた電子媒体(CD-RまたはDVD-R)
窓口申請でも「紙の書類だけ」では受理されません。オンラインシステム等で作成した申請データ(.tksファイルや.binファイル)をCD-R等に保存し、紙の書類と一緒に提出してください。電子媒体を忘れて受理されなかったというケースは実際に起きています。
窓口または郵送で提出する
窓口への持参、または郵送(信書扱い)で提出します。自治体によっては独自のオンライン受付を導入している場合もあるため、提出前に受付方法を確認してください。
オンラインか窓口か、判断の手順
経路の道路種別に応じて、以下の順で確認します。
まず、経路に直轄国道が含まれるかどうか。含まれていれば国交省のポータルから一括でオンライン申請できます。直轄国道がなくても、高速道路が含まれていれば高速道路会社のシステムが使えます。
いずれにも該当しない場合は、経路上の自治体が自治体申請システムに参加しているか確認してください。参加していればオンライン申請が可能、未参加なら窓口申請です。
経路に複数の道路管理者が含まれる場合は、国道事務所への一括申請を優先的に検討してください。一括申請であれば、都道府県・市区町村との協議もまとめて処理されます。
② 判断フローチャート
まとめ
オンライン申請システムには国交省・自治体・高速道路会社の3系統があり、「国交省のシステムが使えない=窓口申請」とは限りません。経路に高速道路が含まれていれば、高速道路会社のシステムで申請できる可能性があります。ただし、市町村道を含む一括申請をオンラインで受け付けてもらえるかは事前に高速道路会社へ確認が必要です。
窓口申請が必要になるのは、経路がオンライン未対応の市区町村道のみで完結する場合に限られます。窓口に切り替える際は、紙の書類だけでなく申請データ(.tksファイルや.binファイル)を保存した電子媒体(CD-R等)の提出を忘れないでください。
未収録道路や個別審査が必要なケースは、オンライン申請自体は可能ですが、付近図や軌跡図のPDF添付が求められ、審査期間が延びます。窓口に切り替えても審査は短縮されないため、追加書類を準備してオンラインで申請するのが基本の対応です。
よくある質問
- Q特車申請のオンラインシステムは何種類ありますか?
- A
国交省の特車ポータル、自治体申請システム、高速道路会社のオンラインシステムの3種類です。経路に含まれる道路の種別によって使えるシステムが異なります。
- Q経路に直轄国道が含まれない場合、必ず窓口申請になりますか?
- A
いいえ。経路に高速道路が含まれていれば、高速道路会社のオンラインシステムから申請できる場合があります。また、走行する自治体が自治体申請システムに参加していればオンライン申請が可能です。
- Q未収録道路が経路に含まれる場合、オンライン申請はできますか?
- A
申請自体は可能です。ただし、システム上の自動算定ができないため、付近図(未収録経路図)のPDF添付が必要になり、審査が長期化します。
- Q窓口申請のとき、紙の書類だけ持っていけば受理されますか?
- A
受理されません。オンラインシステム等で作成した申請データ(.tksファイルや.binファイル)をCD-RやDVD-Rに保存し、紙の書類と一緒に提出する必要があります。
- Q個別審査が必要な車両は窓口申請に切り替えるべきですか?
- A
窓口に切り替えても審査期間は短縮されません。オンラインで申請し、軌跡図や理由書などの追加書類をPDFで添付するのが基本の対応です。
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