【現役質屋店長が解説】フリマアプリで古物商許可を取らずに営業できるのはどんな場合?

フリマアプリで古物商許可を取らずに営業できるケースのイメージ コラム

フリマアプリで中古品を販売したいけど、「できれば古物商許可を取りたくない」と考えている方は多いのではないでしょうか。

実は、古物商許可を取らずにフリマアプリで営業できるケースもあります。

この記事では、古物商許可が不要なケース、必要なケース、そして判断基準について、質屋・買取店での実務経験(業界歴10年以上)をもとに詳しく解説します。

フリマアプリで古物商許可を取らずに営業できるケース

古物商許可を取らずにフリマアプリで営業できるケースは、次の4つです。

1. 自分で使っていた不用品を売る場合

古物商許可は不要

自分で購入して使っていた物を売る場合、古物商許可は不要です。

自分で使っていた不用品をフリマアプリで販売するイメージ

具体例:

  • 自分で買って着ていた服を売る
  • 使わなくなったゲーム機を売る
  • 読み終わった本を売る
  • 引っ越しで不要になった家具を売る

重要なポイント:

「自分で使うために買った」という点が最も重要です。転売目的で購入した場合は、たとえ一度も使っていなくても古物商許可が必要になります。

実務での判断基準:

私は現在も質屋の店長として勤務しており、日々、ブランド品・貴金属・時計の買取・販売を行っています。

現場では、次のような基準で「不用品かどうか」を判断しています:

  • 使用感があるか(傷、汚れ、色褪せなど)
  • 購入時期と販売時期の間隔(すぐに売っている場合は転売目的の可能性)
  • 同じ商品を複数持ち込んでいるか
  • 新品同様の商品ばかりを持ち込んでいるか

だからこそ、書類上の知識だけでなく、現場で使える実践的な情報をお伝えできます。

注意点:

継続的に大量の不用品を出品している場合、「営業」とみなされる可能性があります。

例えば、月に10件以上の取引を数ヶ月継続している場合は、警察署の担当者から「事業性あり」とみなされることがあります。

2. 無償でもらった物を売る場合

古物商許可は不要

無償でもらったプレゼントや景品を売る場合、古物商許可は不要です。

具体例:

  • 友人からもらったアクセサリーを売る
  • ゲームセンターで取った景品を売る
  • 懸賞で当たった商品を売る
  • 親から譲り受けた時計を売る

理由:

古物営業法で規制されているのは「中古品の買取」です。無償で譲り受けた物は「買取」に該当しないため、古物商許可は不要です。

注意点:

「無償で譲り受けた」と偽って、実際には買い取った商品を販売することは違法です。

買取店では、同じ人が頻繁に「もらった物」として商品を持ち込む場合、実際には仕入れているのではないかと疑われることがあります。

3. 海外で自分で買ってきた物を売る場合

古物商許可は不要

海外で自分で購入して日本に持ち帰った物を売る場合、古物商許可は不要です。

具体例:

  • 海外旅行で買ったブランドバッグを売る
  • 留学先で買った電化製品を売る
  • 海外出張で買った時計を売る

理由:

古物営業法は日本国内での取引を規制する法律です。海外で購入した物は、日本の古物営業法の適用外です。

注意点:

自分以外の人(輸入業者など)が海外で買った物を日本で仕入れて売る場合は、古物商許可が必要になります。

具体例:

  • ❌ 輸入業者から海外ブランド品を仕入れて転売 → 許可必要
  • ✅ 自分で海外旅行に行ってブランド品を買って転売 → 許可不要

ただし、継続的に海外で買い付けて転売する場合は、税関や税務署からの調査対象になる可能性があります。

重要な注意点:

古物商許可は不要でも、家電製品(PSEマーク)や化粧品(成分表示)など、日本の安全基準を満たしていない輸入品を販売すると別の法律違反になることがあります。

具体例:

  • 家電製品:PSEマーク(電気用品安全法)
  • 化粧品:成分表示、薬機法(医薬品医療機器等法)
  • おもちゃ:STマーク(玩具安全基準)
  • 食品:食品衛生法、JAS法

海外で購入した商品を転売する場合は、古物商許可だけでなく、これらの安全基準も確認する必要があります。

4. 新品を仕入れて転売する場合

原則として古物商許可は不要(ただしグレーゾーンあり)

小売店で新品を購入して転売する場合、原則として古物商許可は不要です。

法律上の定義:

古物営業法第2条では、「使用されない物品で使用のために取引されたもの」も古物と定義されています。

つまり、未開封であっても「一度消費者の手に渡る」か、あるいは「転売目的(=使用目的以外)で流通した」と解釈される余地があるため、グレーゾーンとなるのです。

わかりやすく言うと:

  • 小売店で買った新品を「自分で使うつもりで買って、やっぱり売る」→ 不用品扱い(許可不要の可能性)
  • 小売店で買った新品を「最初から転売目的で買う」→ 古物扱い(許可必要の可能性)

この「目的」を客観的に証明することは難しいため、グレーゾーンとなっています。

具体例:

  • 家電量販店で買った新品を転売
  • ドラッグストアで買った化粧品を転売
  • スーパーで買った食品を転売

ただし、グレーゾーンに注意:

家電量販店やドラッグストアなど、一般の小売店で購入した新品であっても、「転売目的」で購入している場合は、解釈によっては古物営業法の規制対象となる可能性があります。

警察署の担当者からの見解:

「転売目的で購入した時点で『使用のために取引された』とみなす場合がある」

実務で問題視されるケース:

  • セール品を大量購入して転売
  • 限定商品を転売目的で購入
  • ポイント還元目当てで仕入れて転売

買取店では、同じ新品商品を大量に持ち込むお客様には、古物商許可の有無を確認することがあります(法令遵守のため)

「小売店で買った新品だから問題ない」と考えるのは危険です。グレーゾーンでビクビクするくらいなら、古物商許可を取得しておく方が安全です。

フリマアプリで古物商許可が必要なケース

フリマアプリで古物商許可が必要なケースは、次のとおりです:

営利目的で中古品を仕入れて販売する場合

  • リサイクルショップで仕入れて転売
  • 他のフリマアプリで仕入れて転売
  • 古本屋で仕入れて転売
  • 個人から買い取って転売

詳しい判断基準については、次の記事で詳しく解説しています:

➡️ メルカリせどりに古物商許可は必要?不用品販売との線引き

主要フリマアプリでの注意点

どのフリマアプリでも、営利目的で中古品を販売する場合は古物商許可が必要です。

主要フリマアプリの比較イメージ

プラットフォーム別の特徴

プラットフォーム販売手数料特徴許可証の扱い
メルカリ10%個人間取引、匿名配送Shopsは許可証必須
ラクマ6%楽天ポイント連携事業者は許可証提出
PayPayフリマ5%PayPay連携、手数料最安事業者は許可証提出
ヤフオク8.8〜10%オークション形式法人は許可証提示推奨

メルカリ独自の規約違反リスク

メルカリ公式ガイドラインでは、個人アカウントは「不用品売買の場」と定義されており、許可の有無に関わらず、個人アカウントで営利目的の販売(せどり)を行うこと自体が規約違反としてアカウント停止の対象になるリスクがあります。

つまり:

  • 古物商許可を持っていても、個人アカウントでせどりをするのは規約違反
  • 営利目的で販売する場合は、メルカリShopsの利用が推奨される
  • メルカリShopsは古物商許可証の提出が前提

メルカリから見た判断基準:

  • 同じ商品を複数出品している
  • 新品同様の商品ばかりを出品している
  • 短期間に大量の商品を出品している
  • 取引評価が急激に増えている

これらの行動パターンが検知されると、メルカリ事務局から警告やアカウント停止の措置が取られることがあります。

出典:メルカリShops「中古品(古物)を販売する時の注意事項

無許可で営業した場合のリスク

古物商許可を取得せずに営利目的で中古品を販売すると、次のリスクがあります:

罰則

  • 3年以下の懲役
  • または100万円以下の罰金
  • またはその両方

バレるきっかけ

  • 窃盗事件の捜査
  • 他のユーザーからの通報
  • プラットフォームの監視
  • 税務調査

詳しくは、次の記事で解説しています:

➡️ メルカリで古物商許可なしバレる?バレないなど無許可販売と許可取得について

判断に迷う場合の対処法

グレーゾーンの場合は許可を取得する方が安全

「自分のケースは不要なのか、必要なのか」と迷う場合は、古物商許可を取得しておく方が安全です。

許可取得のメリット:

  1. 通報やトラブルのリスクがなくなる
    • 堂々と営業できる
    • 「バレるかも」という不安がなくなる
  2. 古物市場に参加できる
    • 一般人が入れないプロの市場
    • メルカリやヤフオクより安く仕入れられる
    • 利益率が劇的に改善
  3. ビジネスとして拡大できる
    • 法人化も可能
    • 融資を受けやすくなる
    • 信用度が上がる

取得費用:

  • 個人:約2万円(申請手数料19,000円+書類取得費用)
  • 期間:約40日

当事務所では、全国対応のライトプラン(22,000円・書類作成のみ)もご用意しています。

専門家に相談する

「自分のケースで許可が必要かわからない」という場合は、専門家に相談することをおすすめします。

古物での実務経験を持つ行政書士が、あなたのケースを診断いたします。

よくある質問(FAQ)

Q
不用品を売るだけなら絶対に古物商許可は不要ですか?
A

基本的には不要ですが、継続的に大量の不用品を出品している場合は「営業」とみなされる可能性があります。私が警察署の担当者と話した際には『月に10件以上の取引を数ヶ月続けていれば、事業性ありとみなす可能性が高い』という指導を受けたことがあります。 もちろん扱う商品や単価にもよりますが、『継続的に販売している』という事実は、無許可営業を疑われる大きな要因になります

Q
新品を仕入れて転売する場合も古物商許可は不要ですか?
A

原則として不要ですが、グレーゾーンがあります。小売店で購入した新品であっても、「転売目的」で購入している場合は、警察署の見解では許可が必要とみなされる可能性があります。特に、セール品の大量購入や限定商品の転売は注意が必要です。

Q
どのくらいの頻度で出品すると「営業」とみなされますか?
A

明確な基準はありませんが、「月に10件以上の取引」「継続的に出品している(数ヶ月以上)」「常に10点以上の商品を出品している」場合は営業とみなされることがあります。買取店の現場でも、同じ商品を大量に持ち込むお客様には、古物商許可の有無を確認することがあります。

Q
海外で買った商品を転売する場合も古物商許可は不要ですか?
A

自分で海外に行って買ってきた物を売る場合は不要です。ただし、輸入業者から海外商品を仕入れて転売する場合は許可が必要になります。また、継続的に海外で買い付けて転売する場合は、税関や税務署からの調査対象になる可能性があります。

Q
グレーゾーンの場合、どうすれば良いですか?
A

グレーゾーンでビクビクしながら運営するより、古物商許可を取得して堂々と営業する方が賢明です。許可取得の費用は個人で約2万円、期間は約40日です。また、許可を取得すると古物市場に参加できるようになり、メルカリやヤフオクより安く仕入れられるため、利益率が大幅に改善します。「コスト」ではなく「投資」として考えることをおすすめします。

お困りの際は当事務所へ

古物商許可の取得は、必要書類の準備から警察署への申請まで、手続きが複雑です。また、「自分のケースで許可が必要か」「グレーゾーンかどうか」など、判断に迷う場面も多いです。

当事務所では、古物買取の現場で10年以上の経験を持つ行政書士が、書類作成から許可取得までサポートいたします。

全国対応のライトプラン(22,000円・書類作成のみ)もご用意しています。

「自分のケースで許可が必要か確認したい」「費用を抑えて許可を取得したい」「申請が複雑で困っている」といった場合は、お気軽にご相談ください。

お問い合わせ方法:

  • お問い合わせフォーム
  • 電話:03-6821-4578(年中無休 9:00〜19:00)

行政書士手島宏典事務所
古物商許可申請の専門サポート

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執筆者プロフィール

手島宏典 行政書士・現役質屋店長
業界歴10年以上。大手買取店FC3年経営。

行政書士手島宏典事務所
東京都葛飾区亀有3丁目27-30 Tビル1階
TEL:03-6821-4578(年中無休 9:00〜19:00)