メルカリやヤフオクでせどり(転売)をする場合、古物商許可は必要なのでしょうか?
「不用品を売るだけなら不要」「せどりは必要」と言われますが、その線引きはどこにあるのでしょうか。特に、副業でせどりを始めようと考えている方にとって、「無許可だと違法ではないのか」という不安は大きいはずです。
この記事では、せどりに古物商許可が必要かどうかを、実務経験をもとに詳しく解説します。
せどりとは
せどりとは、安く仕入れた商品をフリマアプリやオークションサイトなどで販売し、その差額で利益を得るビジネスモデルです。
もともとは本の「背取り」(背表紙を見て仕入れる)から来ており、現在は本に限らず、あらゆる中古品・新品の転売を指します。
せどりに古物商許可は必要?【判断フローチャート】
古物商許可が必要な4つのケース
1. 営利目的で中古品を仕入れて販売する場合
メルカリ、ヤフオク、ラクマなどで中古品を転売する場合、営利目的・反復継続していれば古物商許可が必要です。
2. 代行販売で手数料を受け取る場合
委託を受けて古物の売買を行うことも古物営業に該当します。
手数料をもらって他人の中古品を販売する場合は、古物商許可が必要です。
3. レンタル事業(中古品を仕入れて貸し出す)
中古品を買い取ってレンタルする場合は、古物商許可が必要です。
ただし、新品をメーカーから直接購入してレンタルする場合は不要です。
4. 買い戻した商品を転売する場合
販売した商品を買い戻して、それを他に転売する場合も許可が必要です。
私もせどりをやっていました
実は私も、昔の話にはなりますがブックオフでせどりをしていた経験があります。
当時はスマホのバーコードリーダーアプリを使って、棚にある本のISBNコードを次々とスキャンしていました。アマゾンやヤフオクでの相場が瞬時に表示されるので、「この本は100円で仕入れて1,500円で売れる」という判断が数秒でできました。
ブックオフの棚を1周するだけで、10〜20冊の「お宝本」を発見することもありました。
特に、専門書や絶版本は高値で売れるため、仕入れ値の10倍以上の利益が出ることもありました。
当時は休日の午前中にブックオフを3〜4店舗まわり、1日で5,000〜10,000円分の本を仕入れていました。それをアマゾンやヤフオクで販売し利益を得てました。
実は許可が必要だったケース
しかし、ここで重要なのは「古物商許可」の存在です。
当時は知らずにやっていましたが、今から考えると、営利目的で反復継続していたので、本来は許可が必要だったケースです。
現在、質屋の店長として古物買取の現場にいるからこそ、この線引きの重要性を痛感しています。
もし当時、警察の立ち入り検査があったら、無許可営業として罰則を受けていた可能性があります。

今のトレンド:カメラ転売
特に3つのトレンドが重なり、中古カメラ市場が大きく動いています。
1. レトロデジカメブーム(Y2K、CCDセンサー)
若者の間で「Y2Kカメラ」(2000年代のデジカメ)が大人気です。
今の高性能なスマホカメラでは出せない、CCDセンサー特有の柔らかい色合いが「エモい写真が撮れる」とSNSで話題になり、若者からの需要が高まってます。
人気機種の例:
- CASIO EXILIM(エクシリム):3,000〜8,000円
- Canon IXY Digital(イクシー):5,000〜12,000円
- SONY Cyber-shot(サイバーショット):4,000〜10,000円
2. eBay輸出の加速(円安の影響)
円安の影響で、日本製カメラの海外需要が急増しています。
1ドル=156円台(2026年2月)という状況により、eBayで海外バイヤーに直接販売すれば、国内相場の1.5〜2倍で売れることも珍しくありません。
例: 国内で8,000円で仕入れたCanon IXY Digitalを、eBayで$100(約15,600円)で販売できます。
実は、ハードオフなどの大手リユース企業も2025年10月からeBayへの出店を開始しています。大手も参入するほど、海外需要は本物です。
3. ミラーレス一眼の買い替え需要
フルサイズミラーレスへの買い替えが進んでおり、中級機(α7III、Z6など)の中古市場が活発です。
買い替えが進む理由:
- SONY α7IV、Canon EOS R6などの新機種が人気
- 動画撮影需要の増加(YouTuber、Vlogger)
- 価格が手頃になってきた(10万円台)
この買い替え需要により、α7III(初代フルサイズミラーレス)が10〜12万円で中古市場に流れてきています。
注意:カメラ転売も古物商許可が必要です
中古のカメラを仕入れて販売する場合は、古物商許可が必要になります。新品や海外で購入したカメラなら不要ですが、国内の中古市場から仕入れる場合は必ず許可を取得しましょう。

許可がない場合の罰則
古物商許可を取らずに、転売目的で中古品を仕入れると、最悪、逮捕される可能性があります。
古物商許可は古物営業法で定められており、無許可で古物を販売することは法令違反となります。
罰則:
- 3年以下の懲役
- 100万円以下の罰金
- またはその両方
実際の摘発事例:
- メルカリで無許可営業をしていた20代男性が書類送検(2023年)
- ブックオフせどりで月100万円稼いでいた30代女性が摘発(2024年)
- カメラ転売で無許可営業していた40代男性が罰金50万円(2025年)
無許可でも悪質性が低い場合は、すぐに重い罰則が科せられることは少ないとされていますが、リスクは避けるべきです。
古物商許可が不要な5つのケース
1. 自分の不用品を売却する場合
自分で使用した後、不要になったので売却する場合は、古物商許可は必要ありません。
例:使わなくなった洋服、読み終わった本、遊ばなくなったゲームなど。
2. 新品を転売する場合
新品は古物に該当しないため、許可は不要です。
例:Amazonで新品のゲーム機を仕入れて、メルカリで転売する場合。
ただし、大量に仕入れて販売する場合は、古物商以外の法律(消費税、所得税など)が関係します。
3. 無償で入手した物を売却する場合
友人知人などから不用品を無料で引き取って売却する場合は、古物商許可は不要です。
例:引っ越しする友人から家具をもらって、メルカリで売る場合。
4. 海外で購入した物を売却する場合
個人が海外で購入して国内に輸入したものを売るだけであれば、古物商許可は不要です。
例:アメリカのeBayで購入したカメラを、日本のメルカリで売る場合。
なぜ海外仕入れは不要なのか? 大阪府警のQ&Aでも解説されていますが、古物営業法は「国内での盗品流通防止」を目的としているため、海外での買い物には日本の法律が適用されないからです。ただし、「日本の輸入業者から仕入れる」場合は国内取引となるため、許可が必要になるので注意してください。 [出典:大阪府警「古物営業法Q&A」]
5. くじやゲームセンターで手に入れた景品を売却する場合
景品が手に入るのは、くじやゲームにお金を使ったことによる結果です。
当たった景品が不要なので、メルカリなどに出品する場合は、許可は不要です。
例:ゲームセンターで取ったぬいぐるみを、メルカリで売る場合。
せどりの種類別:許可の要否(表)
| せどりの種類 | 許可の要否 | 理由 |
|---|---|---|
| メルカリせどり(中古品) | ✅ 必要 | 営利目的・反復継続 |
| ブックオフせどり | ✅ 必要 | 営利目的・反復継続 |
| カメラ転売(中古) | ✅ 必要 | 中古品を仕入れて販売 |
| レトロデジカメ転売 | ✅ 必要 | 中古品を仕入れて販売 |
| eBay輸出(国内仕入) | ✅ 必要 | 国内で中古品を仕入れて販売 |
| 新品せどり | ❌ 不要 | 新品は古物に該当しない |
| 輸入せどり(海外購入) | ❌ 不要 | 海外で購入した物は古物に該当しない |
| レンタル事業(中古品) | ✅ 必要 | 中古品を仕入れて貸し出す |
| 自己の不用品販売 | ❌ 不要 | 営利目的ではない |
| 代行販売(手数料) | ✅ 必要 | 委託販売は古物営業に該当 |
メルカリでの古物商許可についてはメルカリと古物商許可について、ヤフオクなどとの比較も解説で詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
- Qブックオフで本を仕入れてメルカリで売る場合、古物商許可は必要ですか?
- A
はい、必要です。営利目的で中古品を仕入れて販売する場合は、反復継続の意図があれば古物商許可が必要になります。「1回だけなら大丈夫」という考えは危険です。本記事で紹介した私のブックオフせどり体験も、本来は許可が必要だったケースです。
- Qバーコードリーダーアプリを使ったせどりは違法ですか?
- A
バーコードリーダーアプリの使用自体は違法ではありません。ただし、営利目的で中古品を仕入れて販売する場合は、古物商許可が必要です。アプリはあくまで「価格調査ツール」であり、許可の要否には関係ありません。
- Qレトロデジカメ(Y2Kカメラ)を転売する場合、古物商許可は必要ですか?
- A
中古のレトロデジカメを仕入れて販売する場合は、古物商許可が必要です。ただし、海外(eBayなど)で購入したカメラを日本で売る場合は不要です。また、新品のレトロデジカメ風カメラ(新製品)を転売する場合も不要です。
- QeBayで海外に転売する場合、古物商許可は必要ですか?
- A
国内で中古品を仕入れてeBayで海外に販売する場合は、古物商許可が必要です。販売先が海外でも、仕入れが国内の中古品であれば許可が必要になります。逆に、海外で購入した商品を日本で売る場合は不要です。
- Q2026年現在、カメラ転売はまだ稼げますか?
- A
はい、3つのトレンド(レトロデジカメブーム、eBay輸出、ミラーレス買い替え)が重なり、2026年も稼ぎやすい状況です。ただし、中古カメラを仕入れて販売する場合は古物商許可が必要です。許可取得後に始めることをおすすめします。
まとめ
- せどりは基本的に古物商許可が必要(営利目的・反復継続の場合)
- ブックオフせどり、カメラ転売など、中古品転売には許可が必須
- 新品せどり、輸入せどり、不用品販売は不要
- 無許可営業は3年以下の懲役または100万円以下の罰金
せどりを始める前に、自分のケースが古物商許可が必要かどうかを確認しましょう。
個人事業主として古物商を開業する方法については、古物商許可の個人事業主での開業について開業届やメルカリ、メリットなど解説をご覧ください。
古物商許可の申請方法については、古物商許可の申請方法について申請の流れや手順、必要書類を解説をご覧ください。
お困りの際は当事務所へ
「ブックオフでせどりを始めたいけど、古物商許可が必要か分からない」「メルカリで本やカメラを転売しているが、許可を取っていない」「カメラ転売に興味があるが、どうすれば始められる?」「eBayで輸出したいが、古物商許可は必要?」
せどり・転売と古物商許可の判断は、仕入れ方法や販売方法によって異なり、非常に複雑です。
当事務所では、古物買取の現場で10年以上の経験を持つ行政書士が、せどりビジネスに必要な古物商許可の取得をサポートいたします。「自分のケースで許可が必要か確認したい」「店舗せどりを合法的に始めたい」「カメラ転売で許可を取得したい」といった場合は、お気軽にご相談ください。
実際に私自身もせどりの経験があり、現場目線でのアドバイスが可能です。
お問い合わせ方法:
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- 電話:03-6821-4578(年中無休 9:00〜19:00)
行政書士手島宏典事務所
古物商許可申請の専門サポート
執筆者プロフィール
手島宏典 行政書士・現役質屋店長
業界歴10年以上。大手買取店FC3年経営。ブックオフせどり経験者。
行政書士手島宏典事務所
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