あおり付きのセミトレーラで鋼材や製品を運ぶ申請では、特車申請の扱いを車体の構造と連結時の寸法から判断します。「平ボディ」「鋼材用」といった呼び方だけでは、車種区分は決まりません。
あおり型・スタンション型・船底型は、特例5車種に加わる追加3車種で、合わせて特例8車種として扱われます。ただし、特例5車種と同じ総重量の特例は適用されません。
そのため、追加3車種の申請では、車体の構造に加えて、連結全長やリアオーバーハング、総重量・軸重を車両ごとに示す資料が必要です。この記事では、構造の見分け方と、申請資料で押さえる長さ・重量の条件を解説します。
追加3車種は構造で判定する
追加3車種は、貨物を載せるだけでなく、あおり・支柱・支え台で積載物を保持する構造を備えたセミトレーラです。荷台の外観や用途名に加えて、保持装置と固縛装置の仕様も区分を決める材料になります。
| 車種 | 構造の着眼点 |
|---|---|
| あおり型 | 貨物の落下を防止するために十分な強度のあおり+固縛装置 |
| スタンション型 | 十分な強度のスタンション+固縛装置 |
| 船底型 | 十分な深さ・強度を持つ貨物の支え台+固縛装置 |
固縛装置は、積載物を固定するための装置です。申請する車両の形式が分かるメーカーの外観図・仕様資料と、実車の装備を照合します。
荷台が平らであることや、貨物をベルトで固定することだけでは、追加3車種に当たるとは言えません。単車の平ボディトラックに、この区分をそのまま当てはめることもできません。
貨物の落下を防ぐためのあおりを備え、積載物を固定できる構造かを見ます。
荷台に設けた支柱で積載物を保持し、固縛装置で固定する構造です。
積載物を受ける支え台の形状・深さ・強度と、固定方法を資料で見ます。

左から、あおり型・スタンション型・船底型のイメージ
あおり・支柱・支え台の仕様
あおり型は、積載物を保持できる強度のあおりと、貨物を固定する装置の有無がポイントです。開閉や取り外しができる仕様かどうかも含め、資料と実車を照らし合わせてください。
スタンション型では、荷台に設けた支柱が積載物を保持します。支柱の位置や取付方法は図面で特定しましょう。支柱らしい部材が付いているという外観だけでは、区分は決まりません。
船底型は、支え台が積載物を保持する構造です。「荷台の中央が低くなっている」という説明だけでは、船底型の条件を表せません。支え台の形状や保持方法は車両ごとに違うため、その車両の図面と仕様が必要です。
中古車の導入時など、車検証だけでは装置の内容が分からない場合は、車台番号と型式を伝えてメーカーや販売元から資料を取り寄せます。貨物を載せていない状態の全体写真や装置の写真も、実車との対応を示す資料の一つです。
特車申請は、構造資料の取り寄せだけでなく、連結全長やリアオーバーハング、軸重の算定にも手間がかかります。当事務所では、車両・経路の確認から、申請書類の作成・申請後の補正対応まで代行します
17m・17.5m・18mの長さ基準
特例8車種のセミトレーラ連結車には、許可や通行可能経路の確認で使う長さの基準があります。特殊車両通行ハンドブックに示された基準は、基本の17mと、リアオーバーハングに応じた17.5m・18mの3段階です。
ここでいうリアオーバーハングは、被けん引車の後軸の旋回中心から車両後端までの距離を指します。最後尾のタイヤから後端までを測った距離を、そのまま使うものではありません。
| 車両の条件 | 許可・確認で扱う長さの基準 |
|---|---|
| 基本となるセミトレーラ連結車 | 17m |
| リアオーバーハング3.2m以上3.8m未満 | 17.5m |
| リアオーバーハング3.8m以上4.2m未満 | 18m |
たとえば、リアオーバーハングが3.6mなら17.5mの区分で検討します。3.8mちょうどは次の区分に含まれますが、4.2mちょうどは「4.2m未満」に入らないため、18mの行は使えません。
セミトレーラをけん引する自動車の連結装置の中心が、後軸(複数軸の場合は後後軸)の車輪より後方にある車両には、上の表とは別に21mの基準が設けられています。該当する車両では、連結装置の位置が分かる図面を用意しましょう。
これらの数値は、許可なしで一般道路を通行できる長さではありません。表の区分に収まっても交差点を曲がれるかなどの経路審査があるため、その長さで必ず許可されるとは限りません。
特例8車種のセミトレーラ連結車では、許可・確認で扱う長さの基準を車両構造に応じて確認します。
セミトレーラ連結車
3.2m以上 3.8m未満
3.8m以上 4.2m未満
特例5車種の重量表は使えない
特例5車種には、道路の区分と最遠軸距(最前軸から最後軸までの距離)に応じた総重量の最高限度の特例があります。追加3車種はその対象ではないため、コンテナ用やバン型と同じ軸配置でも、特例の重量表は使えません。
高速自動車国道や重さ指定道路では、車両の最遠軸距や長さに応じて、総重量の上限が20t・22t・25tとなる場合があります。追加3車種も、まずこの基準と実際の総重量を比べ、超える場合は特車許可・確認の対象として検討しましょう。
分割可能な貨物を積む特例8車種は、総重量44tを上限とする許可等の扱いです。特例8車種の重量特例と44tの違いを踏まえ、車両側の基準と経路の通行可否は分けて判断してください。
軸重は10tが基本で、所定の条件を満たす2軸の認証トラクタでは、駆動軸重が11.5tまで認められます。申請値には、総重量だけでなく、トラクタの認証条件と積載位置を反映した各軸の重量が必要です。
申請前にそろえる資料
追加3車種の申請では、車種区分が分かる資料と、実際に通行する状態を表す資料の両方を用意します。次の内容を集め、決まっていない項目は荷主や配車担当者と調整しましょう。
- トラクタとトレーラの車検証・自動車検査証記録事項
- あおり・支柱・支え台と固縛装置の構造が分かる資料
- 連結全長・最遠軸距・後軸の旋回中心・リアオーバーハングが分かる図面
- 貨物の寸法・重量・積載位置と、総重量・軸重の算定資料
- 出発地・目的地の出入口、使用する道路・交差点が分かる経路図
積載物が車体の前後や左右にはみ出す場合は、車両図面だけでは通行時の寸法を表せません。貨物を含む積載図を作り、特殊貨物やはみ出しに関する手続きが必要かどうかも判定しておきましょう。
取得済みの許可で運行する場合も、トラクタの入れ替えや積み方の変更があれば、登録された組み合わせ・寸法・重量・経路と合っているかが問われます。車種区分が同じでも、別の車両の許可をそのまま使うことはできません。
総重量44tや車両長18mといった車両側の限度値に収まっていても、実際に通行できるかどうかは経路上の橋梁や交差点などの条件で変わります。せん。といった車両側の限度値以内でも、実際に通行できるかは経路上の橋梁や交差点などによって変わります。
よくあるご質問
- あおりが付いていれば「あおり型」になりますか?
-
あおりが付いているだけでは決まりません。貨物の落下を防止できる十分な強度を持つあおりと、固縛装置を備えていることが必要です。
- スタンション型では固縛装置も必要ですか?
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必要です。十分な強度のスタンションに加えて、貨物を固定する固縛装置を備えていることが要件になります。
- 船底型は低床トレーラと同じですか?
-
同じ意味ではありません。船底型には、貨物を支えるための十分な深さと強度を持つ支え台、固縛装置などの要件があります。荷台が低いという理由だけで船底型にはなりません。
- 追加3車種は重さ指定道路で27tまで通行できますか?
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特例5車種に適用される総重量の最高限度の特例は、追加3車種には適用されません。特殊車両通行許可等における限度値とは分けて判断します。
- 追加3車種なら44tまで走れますか?
-
44tは、特例8車種について通行可能経路の確認または特殊車両通行許可で扱う限度値です。44tで全国の道路を自由に通行できるという意味ではなく、実際の通行可能重量は経路上の道路や橋梁の条件によって変わります。
- リアオーバーハングが3.8m以上なら全長18mで走れますか?
-
18mは車両側の限度値です。実際に18mで通行できるかは、交差点や曲線部など経路上の道路条件を含めて判断されます。
まとめ
あおり型・スタンション型・船底型は、特例5車種に追加された3種類のセミトレーラです。追加3車種として扱うには、十分な強度のあおり・スタンション・支え台と固縛装置が必要で、外観や呼び方だけでは区分が決まりません。
追加3車種には特例5車種の総重量特例は適用されません。一方で、特例8車種には許可等で扱う限度値として、総重量44t、車両長17mなどがあります。リアオーバーハングによる17.5m・18mの区分や、一定の2軸認証トラクタの駆動軸重11.5tも、申請値に関わる数値です。車種名だけで判断せず、車両構造・積載貨物・車両諸元・通行経路をそろえてから申請しましょう。
特車申請の制度・手続き・車種別対応は、特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。
特車申請のことでお困りならご相談ください
追加3車種の申請では、構造資料と連結寸法・軸重の数値を車両ごとにそろえる作業が欠かせません。当事務所では、構造資料の取り寄せと数値の算定から申請書類の作成、申請後の補正対応まで一括でお引き受けしています。追加3車種に当たるかどうか迷ったときも、お気軽にお問い合わせください。

