生コン車の積載量と車両重量|最大混合容量・最大積載量と軸重の見方

生コン車(ミキサー車)のドラム容量別積載量・車両重量の目安一覧

ミキサー車に積める生コンクリートの量は、ドラムの大きさだけでは決まりません。車両には「ドラム総容量」「最大混合容量」「最大積載量」という、似ているようで中身の違う数値がいくつも設定されています。

新明和工業のGVW20t級ミキサー車を例に挙げると、ドラム総容量8.9m³の車両でも、実際に運べる最大混合容量は4.5m³、最大積載量は約10.1tにとどまります。ドラムそのものの容積である8.9m³まで生コンを積めるわけではありません。

さらに公道を走る場合は、車両総重量だけでなく軸重・隣接軸重や道路ごとの重量制限も関わってきます。この記事では、生コン車の積載量を考えるうえで押さえておきたい数値の違いと、特車制度との関係を解説します。

目次

ドラム総容量と最大混合容量は別の数値

ミキサー車のカタログには、ドラムに関する容量がいくつも並んでいます。中でも混同しやすいのが、ドラム総容量と最大混合容量です。

ドラムの容量と積める量・重量の違い

同じ車両でも、「ドラム総容量」「最大混合容量」「最大積載量」はそれぞれ意味が異なります。

ドラム総容量

ドラム内部そのものの容積

8.9

この容量まで生コンを積めるという意味ではありません。

最大混合容量

生コンを攪拌しながら運搬できる上限容量

4.5

実際に運べる容量を見るときはこちらを使います。

最大積載量

車検証上、積載できる貨物重量の上限

約10.1t

最大混合容量以内でも、この重量を超えて積載することはできません。

8.9m³入るドラムでも、生コンを8.9m³運べるわけではありません。 実際の積載量は、最大混合容量と最大積載量の両方を見て判断します。

ドラム総容量は、ドラム内部そのものの容積を指します。ドラムを目一杯満たしたときの物理的な大きさに近い数値であり、実際に運べる生コンクリートの量とは別物です。一方の最大混合容量は、生コンクリートを攪拌しながら運搬できる上限の容量です。同じ新明和工業のGVW20t級でも、車種ごとに次のような違いがあります。

ドラム総容量最大混合容量最大積載量
8.3m³4.2m³約9,880kg
8.7m³4.4m³約10,110kg
8.9m³4.5m³約10,100kg

極東開発工業の大型ミキサーでも、最大混合容量4.4m³・4.5m³・5.0m³という車種が設定されています。「ドラム容量8m³だから生コンを8m³積める」という単純な計算は成り立ちません。

最大混合容量と最大積載量も別

最大混合容量4.5m³という表示を見ても、常に4.5m³まで積めるとは限りません。重量面の上限として、車検証に記載された最大積載量が別に存在するためです。生コンクリートの配合によって重量が変われば、最大混合容量に達する前に最大積載量へ先に到達することもあります。

実際に積める量は、次の要素の組み合わせで決まります。

  • 最大混合容量
  • 最大積載量
  • 生コンクリートの単位容積質量
  • 軸重・隣接軸重
  • 通行する道路の重量制限

生コンクリート1m³は何t?

普通コンクリートは、概算で1m³あたり約2.3t前後とされることがあります。ただし実際の単位容積質量は骨材や水量、配合によって変わるため、配車や積載量を判断する際は生コン工場が使う配合数値を用いるのが本来の姿です。

概算する場合の式は次のとおりです。

生コンの重量 = 積載する容量(m³)× 単位容積質量(t/m³)

たとえば単位容積質量を2.3t/m³とすると、4.0m³×2.3t/m³=約9.2tという計算になります。

生コンの重量を概算すると

1m³=約2.3tとして計算
3.0m³
3.0 × 2.3
6.9t
4.0m³
4.0 × 2.3
9.2t
4.5m³
4.5 × 2.3
10.35t

※ 2.3t/m³は概算です。実際の重量は、生コンクリートの配合や単位容積質量によって変わります。

「4.5m³車なら4.5m³積める」とは限らない

最大混合容量4.5m³の車両に、単位容積質量2.3t/m³の生コンを4.5m³積むと、4.5×2.3=約10.35tという計算です。

これに対して、新明和工業の4.5m³モデルの最大積載量は仕様例で約10.1tです。メーカー側も、最大積載量はシャシの型式や仕様によって変わるとしています。

つまり最大混合容量だけを見て積載量を決めることはできません。実車では車検証の最大積載量と、出荷する生コンクリートの重量を突き合わせて積載量を判断します。

車両重量と車両総重量の違い

積載量とあわせて整理しておきたいのが、車両重量と車両総重量の違いです。

車両重量は車両そのものの重さを指し、ミキサー車の場合はシャシに加えてドラムや架装装置を含んだ重量になります。

車両総重量は、車両重量に乗員や最大積載量などを加えた重量です。道路法上の重量は、実際に人や貨物を載せて走行する状態の車両を基準に扱います。国交省も、一般的制限値でいう車両は、人や貨物を積載している場合はその状態で扱うとしています。

総重量20tだけで積載量を決めない

車両制限令における一般的制限値は、総重量20tが基本です。ただし高速自動車国道や重さ指定道路では、車両の長さや最遠軸距などに応じて20tを超える一般的制限値が適用される場合があります。

新規格車では、車両諸元に応じて20t・22t・25tといった区分が設けられています。「現場まで20t以内なら走れる」「重さ指定道路なら25tまで走れる」と単純に固定して考えるのではなく、その車両と経路にどの重量が適用されるのかを個別に確認することになります。

新規格車の重量ルールについては、新規格車(増トン車)の走行ルールで詳しく解説しています。

現場手前に重さ指定道路ではない区間がある場合

生コン車は、生コン工場から建設現場まで直接走ります。経路の一部に、生コン工場→重さ指定道路→市道→建設現場という構成が含まれることもあります。

新規格車が20tを超えた状態で、重さ指定道路ではない区間を走る場合は、特殊車両通行許可などの手続きが関わってきます。

新規格車は分割可能な貨物を積載することも認められているため、生コンクリートが分割可能な貨物だからという理由だけで、特車制度の対象外になるとは限りません。ミキサー車の特車申請の実務については、ミキサー車の特車申請でまとめています。

生コン車の通行経路でお困りですか?

重さ指定道路から現場までの経路を含め、特殊車両通行許可の申請に対応しています。

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最大積載量は特車許可でも超えられない

特殊車両通行許可と過積載は、そもそも別の制度です。

道路法上の通行許可を取得しても、車検証に記載された最大積載量を超えて生コンクリートを積めるようになるわけではありません。積載量を検討する際は、まず車検証の最大積載量を確認することが出発点になります。

軸重・隣接軸重にも上限がある

生コン車では、総重量だけでなく各車軸にかかる重量も重要な要素です。一般的制限値は、軸重10t、輪荷重5tとなっています。隣接軸重は、軸間距離によって次のように変わります。

隣接軸距上限
1.3m未満18t
1.3m以上1.8m未満原則18t
上記で両軸がそれぞれ9.5t以下19t
1.8m以上20t

総重量が制限の範囲内に収まっていても、軸重や隣接軸重が超過していれば、それとは別に問題になります。バラ積み貨物について、国土交通省も隣接軸重などが一般的制限値を超える場合には積載物重量を減らすよう案内しています。

軸重・輪荷重・隣接軸重の詳細は、軸重・輪荷重・隣接軸重とはにまとめています。

橋ごとの重量制限にも注意する

経路上の橋に「14t」「16t」といった重量制限が個別に設けられていることもあります。

新規格車や重さ指定道路の重量基準とは別枠で、その橋固有の制限が適用されるため注意しておきたいところです。配車の際は、生コン工場から現場までの経路全体を確認します。橋の重量制限については、橋の重量制限標識(14t等)のルールと罰則で取り上げています。

生コン車の積載上限を見る手順

実際の積載量は、次の順番で整理すると分かりやすくなります。

  1. 車検証の最大積載量を確認します。この重量を超えて生コンクリートを積むことはできません。
  2. メーカー資料で最大混合容量を調べます。ドラム総容量ではなく、この数値が上限になります。
  3. 出荷する生コンクリートの単位容積質量を把握します。概算値だけに頼らず、実際の配合に対応する重量を使います。
  4. 積載後の重量を算出します。生コンクリートの重量と車両重量をもとに、走行状態の重量を見ます。
  5. 軸重・隣接軸重を点検します。総重量だけでなく、各車軸や隣接する車軸にかかる重量も対象です。
  6. 現場までの道路条件を洗い出します。重さ指定道路、重量制限のある橋、現場付近の市道など、実際に走る経路に適用される制限を確認します。

この6項目をひととおり押さえておくと、「何m³車だから何m³積める」という単純な判断を避けられます。

よくある質問

ドラム総容量8.9m³なら生コンを8.9m³積めますか?

積めません。ドラム総容量と最大混合容量は別の数値です。新明和工業のGVW20t級モデルでは、ドラム総容量8.9m³に対して最大混合容量は4.5m³にとどまります。

最大混合容量4.5m³なら4.5m³まで積めますか?

最大積載量や生コンクリートの重量次第では、4.5m³より少なくなることがあります。車検証の最大積載量と、実際の生コンクリートの単位容積質量をもとに積載量を判断します。

生コンクリート1m³は何kgですか?

普通コンクリートでは、約2.3t(2,300kg前後)を概算に使うことがあります。実際の重量は配合によって変わるため、積載量を決める際は生コン工場の配合データなどを使用します。

生コン車は満載にしなければ特車申請は不要ですか?

車両諸元や実際の積載重量、通行する道路によって変わります。

新規格車は分割可能な貨物も積載できるため、生コンを積んだ状態で重さ指定道路ではない道路を走る場合などに、特車制度が関わってくることがあります。

総重量が範囲内なら軸重は見なくてもいいですか?

いいえ。総重量とは別に、軸重・輪荷重・隣接軸重の制限があります。総重量が範囲内に収まっていても、特定の車軸に重量が集中していれば、それだけで問題になることがあります。

まとめ

生コン車の積載量を考えるときは、ドラム総容量・最大混合容量・最大積載量という3つの数値を分けて捉えることがポイントです。ドラム総容量はドラムそのものの容積であり、実際に運べる生コンクリートの量を示す数値ではありません。

実際の積載量は、最大混合容量と車検証の最大積載量、生コンクリートの単位容積質量を組み合わせて判断します。公道を走る際は、総重量だけでなく軸重・隣接軸重・輪荷重、重さ指定道路や個別の重量制限も関わってきます。

新規格車は分割可能な貨物を積載できるため、未指定道路を走る際には特殊車両通行許可などの手続きが関わってきます。ミキサー車の特車申請の実務は、本文中でまとめたとおりです。

生コン車の通行経路や特殊車両通行許可でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

特車申請の制度・手続き・車種別対応は、特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。

特車申請のご相談・お見積もりはお気軽にお問い合わせください。

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