副業で古物商許可を取ると会社にバレる?就業規則の確認から申請まで解説

副業準備中のイラスト

副業で古物商許可を取りたい。そう考えたとき、多くの会社員がまず気になるのが「会社にバレないか」という点です。

正直に言うと、許可情報は公安委員会のデータベースに登録され、東京では警視庁のサイトで誰でも名前で検索できます。「絶対にバレない」とは言い切れません。

ただ、バレるかどうか以上に、先に確認すべきことがあります。就業規則の副業禁止条項の読み方と、独立を見据えたときの申請の順序。この2点を見落とすと、許可は取れても後から問題が起きます。

目次

会社員でも古物商許可は取れる

古物営業法が定める欠格事由は、過去の刑罰歴・破産・暴力団関係・未成年といった項目です。「会社員であること」は含まれていません。フルタイムで働きながら申請できます。欠格事由の詳細は「古物商許可は誰でも取れる?取得要件と欠格事由を解説」でまとめています。

ただし、法律上できることと、会社の就業規則上できることは別です。この点を混同したまま進めると、許可は取れても社内でトラブルになってしまいます。

「バレる」かどうか 許可情報の公開範囲

古物商許可を取得すると、氏名・許可番号・主たる営業所の所在地などが都道府県公安委員会のデータベースに登録されます。東京都の場合、警視庁のウェブサイトで一般公開されており、誰でも名前で検索できる状態になります。

意図的に調べない限り発覚しないとも言えますが、「絶対にバレない」とは言い切れません。会社の総務担当者や上司が名前で検索すれば、許可の取得事実は確認できます。

就業規則で副業を禁止している会社に勤めている場合、この公開情報が発覚のきっかけになることがあります。申請前に、自社の規則を確認しておくのが先決です。

就業規則の副業禁止条項とどう向き合う?

「副業禁止」と規定している会社は今も多くあります。古物商許可を取ること自体は合法ですが、就業規則に違反すれば懲戒処分の対象になりえます。許可と就業規則は別の話です。

条文の「禁止範囲」を正確に読む

副業禁止条項には、大きく2つのタイプがあります。

ひとつは競合禁止型。「同業他社への就業・役員就任を禁じる」という内容で、中古品の転売は対象外になるケースがほとんどです。もうひとつは包括禁止型。「会社の許可なく営利目的の業務に従事してはならない」という広い規定で、この場合は古物商の営業も該当しえます。

就業規則を手元に出して、条文がどちらのタイプかを確認してください。「副業禁止」と書いてあっても、禁じている範囲は会社によって大きく異なります。

「届出制」の会社なら手順がある

副業を全面禁止ではなく届出制にしている会社であれば、申請前に所定の届出を出すことで問題を回避できます。書式は会社によって異なりますが、副業の内容・時間・収入見込みを記入するものが一般的です。

届出制であっても申請せずに進めると、後から発覚したときに「無断で行っていた」という評価になります。手続きがある場合は必ず先に通してください。

許可を取るだけでは「副業を始めた」ことにならない

厳密に言うと、古物商許可の申請・取得は「中古品売買の準備をした」段階です。実際に売買を行って初めて「副業として営業している」状態になります。規則の解釈によっては、許可取得の段階では問題にならない場合もあります。ただし、これは条文の読み方と会社の方針次第なので、グレーなまま進めることは勧めません。

後から発覚して揉めるよりも、先に話を通しておいた方がリスクは小さい。これは許可の話ではなく、職場内の信頼関係の話です。

就業規則の確認フロー

就業規則に副業禁止の規定はある?
ない
申請に進めます
ある
届出制?許可制?
禁止の範囲は?
届出制なら事前申請で対応可
広範な禁止の場合は会社への相談が先

申請書の「職業」欄はどう書く?

職業欄は「会社員」で問題ない

古物商許可の申請書には、申請者の職業を記入する欄があります。会社員であれば「会社員」と書きます。副業として申請することを隠す必要はなく、ありのままを書けば問題ありません。

職業を理由に審査が厳しくなることはなく、本業があるからといって不利になることもありません。申請書の全体的な書き方や必要書類については、「古物商許可の申請方法|必要書類と手続きの流れ」を参照してください。

副業から独立するときに注意したいこと

副業として個人で許可を取り、後から法人化して本格的に事業を展開する。このルートを考えている方に、一点だけ先に伝えておきます。

個人の古物商許可は、法人には引き継げません。

個人許可はあくまで個人に対して出されるものです。法人を設立した時点で、法人名義で改めて申請する必要があります。この点は「法人化後の古物商許可はどうする?引き継ぎ不可の理由と申請の流れ」で詳しく解説しています。

審査期間は東京で標準40日です。法人設立のタイミングと申請のタイミングを計算に入れておかないと、事業の開始が遅れます。

退職して専業に移る場合

会社を辞めて専業に切り替えるときに、手続きの順序を間違えると営業に空白が生じます。具体的にどういうことか説明します。

よくある失敗パターン: 退職してから申請を始める。審査に40日かかるため、その間は中古品の売買ができません。退職直後の40日間、無収入のまま待つことになります。

正しい順序: 在職中に申請し、許可を取得してから退職する。退職後は職業の変更届を退職日から20日以内に警察署へ提出するだけです。変更届は申請ではなく届出なので、審査はありません。提出した翌日から職業欄が更新された状態で営業を続けられます。

変更届で届け出るのは「職業」の変更のみです。営業所の住所・氏名・連絡先に変更がなければ、他の書類は不要です。

ケース必要な手続きタイミングの注意点
会社員のまま副業として開始個人で新規申請申請から許可まで約40日
退職して専業に移行在職中に申請→退職後20日以内に変更届退職後に申請すると40日間の空白が生じる
法人化して事業拡大法人名義で新規申請(個人許可は引き継ぎ不可)法人設立後すぐに申請開始を推奨

空白期間に中古品の売買を続けると無許可営業になります。許可が切れ目なくつながるよう、スケジュールは早めに組んでおいてください。

よくある質問

Q
会社員が古物商許可を取得しても、税務署への開業届は必要ですか?
A

古物商許可の取得と開業届の提出は別の手続きです。副業として継続的に収益が生じる場合、原則として確定申告が必要です。開業届の提出自体は義務ではありませんが、青色申告を使いたい場合は提出が必要になります。税務の判断は税理士にご確認ください。

Q
申請中に転職した場合、どうなりますか?
A

申請中に勤務先が変わっても、申請自体はそのまま進みます。審査担当の警察署には一報入れておくのが無難です。許可が下りた後に勤務先が変わった場合、営業所・氏名・住所等に変更がなければ変更届は不要です。

Q
自宅を営業所として申請できますか?
A

賃貸の場合は使用承諾書が必要です。大家への交渉方法や書類の取り付け方は「賃貸で古物商許可を取るには?使用承諾書を大家からスムーズに取り付ける方法」で解説しています。

Q
副業の場合、古物台帳の管理はどうすればいいですか?
A

副業かどうかにかかわらず、本人確認・取引記録・不正品申告の義務は同じです。取引の都度、古物台帳への記録が必要で、Excelでの管理も認められています。具体的な書き方は「古物台帳(帳簿)の書き方」をご覧ください。

まとめ

法律上、会社員が古物商許可を取ることに制限はありません。ただし許可情報は警視庁サイトで公開されるため、就業規則の確認を先に済ませておく必要があります。申請書の職業欄は「会社員」と書けばよく、副業であることを隠す必要もありません。

将来的に法人化や専業への移行を考えているなら、個人許可が法人に引き継げないことと、審査に40日かかることを踏まえてスケジュールを組むのが重要です。許可取得後にやること申請にかかる費用についても、事前に把握しておくとスムーズです。

古物商許可をお考えの方へ

古物買取の現場で10年以上の経験を持つ行政書士が、書類作成から警察署への提出代行、許可証の受取まで対応いたします。「自分のケースで許可が取れるか確認したい」「賃貸で使用承諾書をどうすればいいかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。

問い合わせ方法:

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執筆者プロフィール

手島宏典 行政書士・現役質屋店長
業界歴10年以上。大手買取店FC3年経営。

行政書士手島宏典事務所
東京都葛飾区亀有3丁目27-30 Tビル1階
TEL:03-6821-4578(年中無休 9:00〜19:00)

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