トラクタとトレーラを連結して特車申請するとき、申請システムの車両登録画面に「連結最小回転半径」を入力します。この欄が空欄だと次の画面に進めないため、数値を先に用意してから作業に入ります。
新車でセット購入したならディーラーから渡される「連結検討書」に計算済みの数値があるため、自分で計算する必要はありません。
中古車や、トラクタとトレーラを別々に購入した場合は、国土交通省が配布するExcelシートに6項目を入力して算出します。計算式はシートに組み込み済みです。ただし出力された値の単位変換を間違えると差戻しになってしまいます。
計算シートの入手
国土交通省の「特車PRサイト」→「申請様式・その他マニュアル等」→「連結最小回転半径計算シート[Excel形式]」からダウンロードします。
シートを開くと計算式がセット済みです。水色のセルに数値を入力すると、黄色のセルに計算結果(R)が自動で表示されます。

入力する6項目
トラクタとトレーラの車両諸元一覧表を手元に用意してから作業すると、参照先がまとまって進みやすくなります。入力単位はすべてmm(ミリメートル)です。
L1・L2(軸距)
L1 はトラクタの前輪中心から後輪中心までの距離(ホイールベース)。車検証の「軸距」欄に記載されています。
L2 はキングピンからトレーラ後輪の軸群中心までの距離。車検証には載っていないため、車両外観図(図面)で確認します。トレーラ入力で使った「L3(キングピンから最後軸まで)」とは異なる数値です。「軸群の中心まで」という点を図面で確認してから入力します。
例:L1 → 3,710mm の場合は「3710」と入力します。
l1・l2(輪距の1/2)
l1 はトラクタ最前軸の左右タイヤ中心間距離を2で割った値。主要諸元表の「輪距」欄または図面の前軸断面図で確認します。「トレッド」と表記されている場合も同じ数値です。
l2 はトレーラ後軸の左右タイヤ中心間距離を2で割った値。l1と同じ方法で確認します。ダブルタイヤの場合は外側タイヤの中心間距離を使います。
S(カプラオフセット)とトレーラ軸数
S は後輪中心からカプラ(連結器)中心までのズレ幅。車両外観図(図面)でmm単位の数値を確認して入力します。
トレーラ軸数 はプルダウンで後部の軸数(1軸・2軸・3軸など)を選択します。DL・Li・Lcは自動計算のため入力不要です。
入力単位はすべてmm(ミリメートル)です。事前に作成した車両諸元一覧表はcm単位でしたが、この計算シートには図面通りの数値(mm)をそのまま入力します。直前までcm換算で作業していた頭のまま計算シートを開くと、3,710mmを「371」と入力してしまうミスが起きやすいです。入力欄はmm、変換するのは最後の計算結果だけ、と切り替えてください。
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6項目を入力すると黄色セルにR(mm単位)が表示されます。申請システムはcm単位で受け付けるため、そのままでは使えません。
Excelの値を10で割って、小数点以下を四捨五入します。
| Excelの表示(mm) | 変換 | システム入力(cm) |
|---|---|---|
| 10548 | ÷10 → 1054.8 | 1055 |
| 11280 | ÷10 → 1128.0 | 1128 |
| 9850 | ÷10 → 985.0 | 985 |
変換後の桁数は4桁程度(900〜1200cm)が正常値です。変換を忘れて「10548」のままシステムに入れると、約105mと解釈されます。3桁以下や5桁以上になっていたら、単位の取り扱いを見直します。
直前まで諸元一覧表をcm単位で作業していた流れでこのシートを開くと、3,710mmを「371」と入力するミスが起きやすくなります。入力欄はmm、変換するのは最後の計算結果だけ、と切り替えてから作業します。
軸重・輪荷重の入力でも単位の確認が必要です。各項目の単位を先に確認してから進めると、入力後の修正が減ります。
システムへの入力場所
軸種選択と車両内訳入力で軸種を追加した直後の画面に入力欄があります。トラクタとトレーラの軸種(例:3軸トラクタ+2軸トレーラ)を選択すると、「申請車両情報登録メニュー」右端に「最小回転半径(cm)」欄が現れます。
軸種を選ぶ前は入力欄がグレーアウトしたままです。先に軸種を確定させてから数値を入力します。
計算結果が12mを超えた場合
連結最小回転半径の一般的制限値は12.0m以下です。12m以下であればそのまま申請できます。
12mを超えると個別審査の対象になる可能性があり、審査期間が長くなります。通行条件A〜Dとして誘導車の配置(C条件・D条件)も付きやすくなります。重セミトレーラやポールトレーラ、長尺トレーラで出やすい状況です。
計算結果が12.1mなどギリギリ超えている場合は、カプラの位置を確認します。トラクタが可動式カプラを搭載していれば、カプラを前方にずらす(オフセット値を大きくする)ことで12m以内に収まることがあります。
まとめ
計算自体は6項目を入れるだけです。差戻しの大半は単位変換の見落としによるもので、変換後に桁数が4桁かどうか確認するだけでほとんど防げます。
12mを超えた場合も申請は出せます。ただし審査が長引く分だけ運行スケジュールに影響するため、可動式カプラがあれば図面を出してオフセット値を見直してから提出した方が結果的に早く許可が下ります。
特車申請の制度・手続き・車種別対応の全体像は特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。
計算や入力の手順で判断が難しければ、申請代行もご相談ください。
よくある質問
- 新車セット購入でも計算シートが必要ですか?
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セットで新車購入し、その組み合わせで申請するなら連結検討書の数値を使えば計算シートは不要です。別のトラクタと組み合わせる場合や、中古・別々購入の場合は計算シートで算出します。
- トレーラ軸距(L2)の調べ方が分かりません。
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車検証には記載がありません。車両外観図(図面)でキングピンから後輪軸群中心までの距離を確認します。図面がなければ販売店に問い合わせてください。
- 計算結果が100m超になっています。
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単位変換を忘れている可能性があります。Excelの値(mm)を10で割ってから入力します。正常値は変換後に4桁(900〜1200cm程度)です。
- 12mを超えたら申請できませんか?
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申請は可能です。個別審査の対象になる可能性があり、誘導車条件(C・D条件)も付きやすくなります。可動式カプラがあればオフセット値を見直すことで12m以内に収まることがあります。

