特車許可を4年に延長する方法|Gマーク取得の3要件と更新申請の反映手順

Gマーク取得で特車許可の有効期間が最大4年に延長される制度を解説

特殊車両通行許可の有効期間は最大2年で、更新のたびに全車両・全経路の手続きが必要です。Gマーク(安全性優良事業所)を取得し、業務支援用ETC2.0を装着・登録して、過去2年間に特車違反がない。この3要件を更新申請時に満たしていると、有効期間が最大4年に延長されます。

ただし適用されるのは緑ナンバーの運送事業者に限られます。白ナンバーで重機や資材を輸送している建設業者・製造業者は制度の対象外です。

目次

Gマーク(安全性優良事業所認定)とは

Gマークは、公益社団法人全日本トラック協会が実施する安全性優良事業所の認定制度です。根拠は貨物自動車運送事業法第43条・第44条で、全日本トラック協会が全国実施機関として指定されています。

認定の単位は事業所(営業所)単位です。法人全体ではなく営業所ごとに審査され、グループ会社や複数営業所を持つ事業者は営業所単位で個別に申請します。2025年3月末時点で全国29,142事業所(全事業所の34.0%)が認定を受けています。

延長後の有効期間

通常の有効期間と、Gマーク等の優良事業者に適用される延長後の期間は以下の表のとおりです。

車両区分通常Gマーク等(優良事業者)
一般的車両最大2年最大4年
超寸法・超重量車両最大1年最大2年

超寸法・超重量車両とは、特例5車種の限度値をさらに超える大型車両のことです。この区分はGマークを取得しても最大2年が上限で、4年延長の対象にはなりません。

延長に必要な3要件

Gマークを持っているだけで自動的に4年になるわけではありません。更新申請(または新規申請)の時点で、以下の3要件をすべて満たした場合に限り延長が適用されます。

要件①:Gマーク認定が有効であること

許可証の有効期間満了日の時点で認定が有効な状態にあることが条件です。更新審査中(申請中)の状態では適用されません。

要件②:業務支援用ETC2.0を装着・登録していること

一般的なETC2.0(料金収受専用)ではなく、業務支援用ETC2.0車載器の装着と申請支援システムへの登録が必要です。

業務支援用ETC2.0はGPS機能と双方向通信機能を備え、走行記録の収集や特車ゴールド制度の利用が可能な車載器です。一般用ETC2.0と外見が似ていますが、型式・機能が異なります。搭載されているETC2.0が業務支援用かどうかは、購入時の型式またはメーカーへの確認で判断します。

装着しているだけでは要件を満たしません。車両1台ごとに申請支援システムへの登録が必要です。利用登録から初回申請・更新の手順は特車ゴールドの申請手順で確認できます。

要件③:過去2年間に特車違反による警告等がないこと

無許可通行、経路違反・通行時間違反・誘導車未配置などの許可条件違反、許可証不携帯による警告・告発が過去2年以内にある場合、延長は適用されません。

「警告を受けた記憶がない」という場合でも、取締り記録は道路管理者側に残ります。物流Gメンによる取締りが強化されている現在、不安がある場合は管轄の国道事務所に確認します。

包括申請は全車両が要件を満たす必要がある

複数台をまとめる包括申請の場合、申請に含まれるすべての車両が3要件を満たしていなければなりません。

10台の申請のうち1台だけ業務支援用ETC2.0が未登録だったり、Gマーク未取得の別営業所の車両が混入しているだけで、申請全体の延長が認められなくなります。延長対象の車両とそうでない車両は申請を分けて提出します。更新前に全車両の充足状況を1台ずつ確認してから申請をまとめる順序が必要です。

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Gマークを取得できない事業者

Gマークの取得対象は「緑ナンバー(事業用)」のトラック運送事業者の事業所に限られます。

白ナンバー(自家用)で特殊車両を運行している事業者、建設業者・農業者・製造業者などはGマーク制度の対象外です。自社の車両で現場に重機を回送している建設業者、農繁期にトラクタを公道で移動させる農業法人は、Gマーク取得による有効期間延長を利用できません。特車申請の申請者要件も、事業者区分によって判断基準が変わります。

対象か否かは「事業用(緑ナンバー)か自家用(白ナンバー)か」で判断します。

Gマークを取得できない事業者

Gマークの取得対象は「緑ナンバー(事業用)」のトラック運送事業者の事業所に限られます。

白ナンバー(自家用)で特殊車両を運行している建設業者・農業者・製造業者は制度の対象外です。自社車両で重機を回送している建設業者や農繁期にトラクタを公道で移動させる農業法人は、Gマーク取得による有効期間延長を利用できません。特車申請の申請者要件は事業者区分によって判断基準が変わるため、自社の区分から確認します。

Gマーク審査の評価基準

認定を受けるには3つの評価項目で合計80点以上、かつ各項目で基準点以上を取る必要があります。

評価項目配点基準点
Ⅰ. 安全性に対する法令の遵守状況40点32点以上
Ⅱ. 事故や違反の状況40点21点以上
Ⅲ. 安全性に対する取組の積極性20点12点以上
合計100点80点以上

合計80点以上でも、3項目のどれか1つが基準点を下回ると不認定になります。

項目Ⅰ:法令の遵守状況(40点)

地方実施機関(各都道府県トラック協会)による巡回指導の結果が評価されます。運行管理では乗務割の作成・過労防止対策・点呼記録の管理が各3点、車両管理では定期点検・整備の実施と記録保存が3点です。帳票類の整備、報告義務の遵守、健康診断の実施・記録、社会保険・労働保険の適正加入も審査対象になります。

項目Ⅱ:事故・違反の状況(40点)

事故実績(20点)では、過去3年間に事業用自動車が有責の第一当事者となる自動車事故報告規則第2条各号の事故がないかが審査されます。違反実績(20点)では、貨物自動車運送事業法に基づく行政処分の累積点数の状況が評価対象です。

過去の事故・行政処分が残っている事業所は、この項目で基準点21点を下回る場合があります。申請を検討する場合は、過去の行政処分履歴を先に確認します。

項目Ⅲ:取組の積極性(20点)

配点が高い項目は、社内独自の運転者研修の実施(3点)、外部研修機関への派遣(3点)、定期的な運転記録証明書の取得による個別指導(3点)、省エネ運転の実施と指導教育(3点)です。安全対策会議の定期実施や適性診断(一般診断)の実施は各2点になります。

2026年度からは、ドライバーの時間外労働880時間以下への取組み状況も評価項目に加わっています。

申請の手順と年間スケジュール

Gマークの申請受付は年1回、例年7月のみです。認定証の交付は翌年1月1日になります。

時期内容
5月頃申請案内・実施要領の配布開始
7月1日〜14日(土日除く)申請受付期間(オンライン)
7〜12月書面審査・実地調査
12月中旬合格発表
翌年1月1日認定証交付・認定開始

申請先は事業所が所在する都道府県のトラック協会(地方実施機関)です。申請手数料は無料で、実費として「無事故・無違反証明書」の発行手数料(1通670円程度 × 運転者数)がかかります。

Gマークの有効期間は初回認定が2年、1回目の更新が3年、2回目以降の更新が4年です。特車許可の更新タイミングとGマーク更新時期が重なる場合は、Gマークの更新を先に完了させてから特車申請に進みます。

更新申請での延長の反映方法

Gマークを取得しただけでは、既存の許可証の有効期間は変わりません。延長が適用されるのは更新申請(または新規申請)が審査を通過したときからです。

特車許可の期間設定を把握したうえで、以下の2点を行います。

① 申請書で通行期間を「4年」に設定する

オンライン申請システムの申請書入力画面で、通行期間を自ら「4年」に設定します。システムがGマークの取得状況を自動判定して期間を変更する機能はないため、設定しなければ通常の2年で処理されます。

② 申請者名をGマーク認定証と完全一致させる

特車申請の申請者名は、Gマーク認定証に記載されている事業所名と一字一句同一である必要があります。国土交通省の公式資料にも「申請者名はGマーク認定事業所名と同一である必要があります」と明記されています。

認定証が「○○運輸株式会社 東京営業所」であれば、特車申請の社名欄も「○○運輸株式会社 東京営業所」と入力します。「○○運輸株式会社」だけでは延長が認められません。複数営業所を持つ事業者は、どの営業所名でGマークを取得しているかを認定証で先に確認します。

Gマーク取得のその他のメリット

有効期間延長以外にも、Gマーク取得には実務上の効果があります。

近年、大手荷主がGマーク取得を取引条件に含めるケースが出ています。違反点数については通常3年の消去期間が2年に短縮されます。IT点呼の導入が認められるため、対面点呼に代わる運用が可能です。損害保険会社・トラック共済によっては自動車保険料の割引が適用される場合もあります。

まとめ

Gマークによる有効期間延長は、「Gマーク認定」「業務支援用ETC2.0の装着・登録」「過去2年間の特車違反なし」の3要件が揃った更新申請から適用されます。白ナンバー事業者は制度の対象外のため、まず自社が申請対象かどうかを確認します。

更新申請では申請書の通行期間を4年に設定すること、申請者名をGマーク認定証の記載と完全一致させること、この2点を欠くと延長は適用されません。包括申請の場合は申請内の全車両が3要件を満たす必要があり、1台でも条件を外れると申請全体が通常期間になります。

Gマークの申請受付は年1回(7月)のみで、認定証の交付は翌年1月です。取得から更新申請への反映までに時間がかかるため、特車許可の更新計画と照らし合わせてスケジュールを先に組みます。

特車申請の制度・手続き・車種別対応の全体像は特殊車両通行許可申請ガイドにまとめています。

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よくある質問

白ナンバーで重機を運ぶ建設業者でもGマークを取得できますか?

取得できません。Gマーク制度の対象は貨物自動車運送事業法に基づく緑ナンバー事業者の事業所に限られます。自社車両で重機を回送している建設業者や農業者は制度の対象外です。

Gマークを取得した翌日から、既存の許可証の有効期間が4年に延長されますか?

変わりません。延長が適用されるのは次の更新申請(または新規申請)が審査を通過したときからです。現在持っている許可証の期限はそのまま維持されます。

包括申請に含まれる車両の一部だけ業務支援用ETC2.0が未登録の場合、どうなりますか?

申請全体の有効期間延長が認められません。要件を満たさない車両が1台でも含まれていると、その申請全体が通常の許可期間になります。延長対象とそうでない車両は申請を分けて提出します。

申請者名はどの名称に合わせればよいですか?

Gマーク認定証に記載されている事業所名に合わせます。「○○運輸株式会社 東京営業所」で認定を受けている場合、特車申請の社名欄も営業所名まで含めて入力します。

Gマーク申請の費用はいくらですか?

申請手数料は無料です。実費として「無事故・無違反証明書」の発行手数料(1通670円程度)が運転者数分かかります。

認定証が交付されてから特車許可の更新申請まで、何を準備すればよいですか?

認定証に記載されている事業所名を確認します。次の特車許可の更新申請で、①申請書の通行期間を4年に設定、②申請者名を認定証の記載と完全一致させるの2点を実施します。業務支援用ETC2.0の登録状況も申請前に全車両分を確認しておきます。


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