【現役質屋店長が解説】古物商許可はいる?いらない?よくある12のケースで判断

古物商許可が必要なケースと不要なケースを書類で判断するビジネスパーソンのイメージ 古物商許可コラム

「メルカリで中古品を転売したいけど、古物商許可って必要なの?」 「せどりを始めたいけど、無許可だと違法になる?」

中古品の売買を始めるにあたって、まず気になるのが「自分の場合、許可はいるのか?」という点ではないでしょうか。

この記事では、古物商許可が必要なケースと不要なケースをまとめました。判断フローチャートも用意しているので、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

そもそも古物商許可とは?

古物商許可は、古物営業法に基づく許可です。「古物」とは、一度使用された物品や、使用のために取引された物品のこと。営利目的で古物の売買を繰り返し行う場合に、この許可が必要になります。

許可の申請先は、営業所を管轄する警察署の生活安全課です。審査期間はおおむね40日前後で、申請手数料は19,000円かかります。申請手続きの流れや必要書類については、古物商許可の申請方法の記事でまとめています。

【判断フローチャート】許可が必要かどうか

まずは、以下のフローチャートでご自身のケースを確認してみてください。

Q1:売るのは自分の不用品だけですか?
↓ はい
✅ 許可不要
↓ いいえ
Q2へ ▼
Q2:中古品(古物)を仕入れて売りますか?
↓ はい
Q3へ ▼
↓ いいえ(新品のみ)
⚠ 原則不要(注意点あり)
Q3:それは継続的にやりますか?
↓ 1回だけ
⚠ 原則不要(判断に注意)
↓ 継続的にやる
🔴 許可が必要

※このフローチャートは一般的な判断基準です。個別の事情により異なる場合があります。

フローチャートの結果はあくまで目安です。判断に迷う場合は、以下のケース別一覧も合わせて確認してください。

古物商許可が「不要」なケース

自分の不用品を売る場合

着なくなった服や使わなくなった家電など、自分の持ち物を処分するだけであれば、古物商許可は不要です。メルカリやヤフオクで自分の不用品を売る行為は、古物営業法でいう「古物の売買」には該当しません。

ポイントは「仕入れ」があるかどうか。自分で買って使ったものを処分する限りは、許可の問題にはなりません。ただし、不用品処分のつもりが「転売」と見なされるケースもあるため、メルカリでの不用品販売と転売の線引きは事前に把握しておいた方が安心です。

新品だけを仕入れて売る場合

メーカーや卸業者から新品を仕入れて販売する場合は、原則として古物商許可は不要です。古物営業法が規制しているのは「古物」の売買であり、一度も消費者の手に渡っていない新品は古物に該当しません。

ただし、ここには重要な注意点があります。消費者が一度購入した「新品未開封品」は、未開封であっても古物に該当します。たとえばAmazonで個人出品者から新品未開封のゲーム機を仕入れた場合、それは法律上「古物」です。

法律上の「新品」と一般的な感覚の「新品」にはズレがあり、古物に該当するかどうかの判断基準は仕入れルートで変わってきます。

自分で作ったものを売る場合

ハンドメイドのアクセサリーや手作りの雑貨など、自分で製作した品物を販売するのであれば、古物商許可は不要です。「古物の売買」ではなく、製造・販売にあたります。

ただし、中古の素材やパーツを仕入れてリメイク品として販売する場合は、古物の取引に該当する可能性があります。仕入れの段階で古物を扱うかどうかがポイントです。

無償でもらったものを売る場合

タダで譲り受けたものをメルカリなどで売る行為は、古物営業法上の「古物の売買」には該当しません。売買には「仕入れ(有償での取得)」が前提となるためです。

ただし、「無償で仕入れて転売する」ビジネスとして継続するつもりなら、早めに許可を取っておくのが現実的です。

海外で直接買い付けたものを国内で売る場合

古物営業法は、国内での古物取引を規制する法律です。海外で自ら買い付けた商品は、法律上の「古物」には該当しません。そのため、海外買い付け品の国内販売に古物商許可は不要です。

ただし注意点が一つ。輸出は「買い受け」が国内で発生するため、方向が変わると許可が必要になります。見落としやすいポイントです。

古物商許可が「必要」なケース

メルカリ・ラクマで中古品を仕入れて転売する場合

フリマアプリで中古品を安く買って、別のプラットフォームや同じアプリ内で転売する行為には、古物商許可が必要です。不用品の処分ではなく、利益を得る目的で古物を仕入れている時点で、古物営業に該当します。

「少額だから大丈夫」「個人だから関係ない」という声も耳にしますが、金額や個人・法人の別は関係ありません。メルカリでの線引きについては不用品販売との境界が参考になりますし、フリマアプリ全般での考え方は許可を取らずに営業できるケースの整理で触れています。

せどり・転売ビジネスをする場合

ブックオフやリサイクルショップで中古品を仕入れ、ネットで販売する「せどり」は、古物の売買を営利目的で繰り返す行為です。古物商許可が必要になります。

「副業だから」「小遣い稼ぎ程度だから」という理由で許可が免除されることはありません。仕入れ先が実店舗でもネットでも同じです。せどりと古物商許可の関係や、転売ヤーとの違いと無許可転売が違法になるケースもあわせて確認してみてください。

ヤフオクで継続的に中古品を出品する場合

ヤフオクでも、中古品を仕入れて継続的に出品する場合は古物商許可が必要です。自分の不用品を処分するだけなら問題ありませんが、仕入れ→出品を繰り返している場合は古物営業に該当します。

「個人アカウントだから許可はいらない」ということはありません。ストア出品でも個人出品でも、古物営業法の適用に差はなく、出品者として知っておくべき判断基準はメルカリやフリマアプリとほぼ同じ考え方です。

Amazonで中古品を販売する場合

Amazonせどりでは「新品を仕入れて売るだけだから許可は不要」と思われがちですが、小売店で購入した商品は古物に該当する可能性があります。Amazon出品者が確認すべきポイントは、仕入れ先の違いによって変わります。

Amazonマーケットプレイスの出品者情報欄では、中古品カテゴリで古物商許可番号の入力を求められることがあります。プラットフォーム側の規約と法律の両面から、事前の確認が必要です。

BASEなど自社ECサイトで中古品を販売する場合

BASEはハンドメイド作家にも人気のサービスですが、古着やブランド品など中古品を扱うなら古物商許可が必要です。メルカリやヤフオクと異なり、自分のショップURLでの届出が必要になる点がBASE特有の注意点です。

メルカリShopsとの違いや許可取得後にやるべきことは、ショップの運営方針によって変わります。

出張買取・訪問買取をする場合

お客様のご自宅に訪問して中古品を買い取る「出張買取」を行うには、古物商許可に加えて「行商」の届出が必要です。

行商とは、営業所以外の場所で古物の取引を行うこと。古物商許可の申請時に「行商をする」にチェックを入れ、許可を受ける必要があります。許可証を携帯する義務もあるため、忘れないようにしてください。

古着・ブランド品の買取販売店を開業する場合

実店舗であれネットショップであれ、古着やブランド品の買取・販売ビジネスを行うには古物商許可が必要です。

私自身、質屋の店長として10年以上、ブランド品・貴金属・時計の買取・販売に携わっています。開業にあたっては、許可の取得だけでなく、営業所の設備要件や帳簿の記録義務なども把握しておくことが大切です。取得要件や欠格事由は事前に確認しておいてください。

グレーゾーン:判断が難しいケース

「不用品販売」と「転売」の境界線

実は、不用品販売と転売の境界線に明確な基準はありません。警察や税務署は、取引の回数、金額、仕入れの有無、出品の頻度などを総合的に見て判断します。

「月に何回までなら大丈夫」「年間いくらまでならセーフ」という明確なラインは存在しないのが実情です。判断に迷うなら、許可を取っておくのが正解です。迷いながら無許可で続けるリスクの方が大きい。

友人や知人から安く買って転売する場合

友人から安く譲ってもらった物を転売する行為も、有償で仕入れている以上、反復継続すれば古物営業に該当します。

「友達だから仕入れじゃない」という理屈は通りません。相手が誰であれ、対価を払って物を取得し、それを販売する行為の繰り返しは、古物商許可の対象です。

ジモティーで仕入れて転売する場合

ジモティーで「無料で譲ります」の品物を受け取って転売する場合と、「○○円で売ります」の品物を購入して転売する場合では扱いが異なります。

無償で譲り受けた場合は古物の「買い受け」に該当しませんが、有料で購入した中古品を転売する場合や、無料譲渡を仕入れ手段として継続的にビジネス化する場合は判断が分かれます。

無許可営業の罰則

古物商許可を取得せずに古物営業を行った場合、古物営業法第31条により、3年以下の拘禁刑(旧:懲役刑)または100万円以下の罰金が科される可能性があります。

「バレなければ大丈夫」と考える方もいるかもしれませんが、フリマアプリの取引履歴やプラットフォーム側の情報提供から発覚するケースは実際にあります。罰則を受けると、その後5年間は古物商許可を取得できなくなるため、リスクは大きいです。

発覚する具体的なきっかけについては、メルカリでの無許可販売が見つかる4つのパターンが参考になります。

よくある質問

Q
不用品をメルカリで売るだけなら古物商許可は不要ですか?
A

はい、自分で購入して使用した物を処分するだけであれば、古物商許可は不要です。ただし、「仕入れて転売する」行為が混ざると許可が必要になるため、不用品処分と転売の線引きには注意してください。

Q
新品を仕入れて転売する場合は許可不要ですか?
A

メーカーや卸から直接仕入れた新品であれば、原則として許可は不要です。ただし、一度消費者の手に渡った「新品未開封品」は法律上の古物に該当するため、仕入れ先の確認が必要です。

Q
海外から仕入れた中古品を国内で売る場合は?
A

海外で自ら買い付けた商品は、古物営業法上の古物に該当しないため、許可は不要です。一方、国内で仕入れた中古品を海外に販売する場合は、国内での買い受けが発生するため許可が必要になります。

Q
許可を取らずに営業するとどうなりますか?
A

古物営業法第31条により、3年以下の拘禁刑(旧:懲役刑)または100万円以下の罰金の対象になります。罰則を受けると5年間は古物商許可を取得できなくなります

Q
自分のケースで許可が必要かどうか相談できますか?
A

はい、当事務所ではLINEでの無料相談を受け付けています。「自分の場合はどうなのか」といったご質問にも、実務経験をもとにお答えしています。お気軽にご連絡ください。

まとめ

自分の不用品を売るだけなら古物商許可は不要ですが、中古品を仕入れて継続的に転売する場合は、プラットフォームや金額にかかわらず許可が必要です。

「新品だから大丈夫」と思っていても、一度消費者の手に渡った未開封品は古物に該当するため、仕入れ先がどこなのかを常に意識してください。

不用品販売と転売の境界線には明確な基準がなく、判断に迷うなら早めに許可を取得しておく方が安全です。無許可営業の罰則は重く、その後の許可取得にも5年間の制限がかかるため、「とりあえず始めてから考える」ではなく、事前の確認をおすすめします。

お困りの際は当事務所へ

古物商許可の取得は、必要書類の準備から警察署への申請まで、手続きが複雑です。また、「メルカリでの転売に許可は必要か」「開業後の届出は何が必要か」など、判断に迷う場面も多いです。

当事務所では、古物買取の現場で10年以上の経験を持つ行政書士が、書類作成から許可取得までサポートいたします。「自分のケースで許可が必要か確認したい」「申請が複雑で困っている」といった場合は、お気軽にご相談ください。

問い合わせ方法:

古物商許可申請の専門サポート 詳しくはこちら →

執筆者プロフィール

手島宏典 行政書士・現役質屋店長
業界歴10年以上。大手買取店FC3年経営。

行政書士手島宏典事務所
東京都葛飾区亀有3丁目27-30 Tビル1階
TEL:03-6821-4578(年中無休 9:00〜19:00)

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